対談

保育士さんへの最大のメッセージは、困った時は「なんでだろう」やってください、 かな(笑)──テツandトモさん

保育士さんへの最大のメッセージは、困った時は「なんでだろう」やってください、 かな(笑)──テツandトモさん

2020.1.15

ネタが絵本に!? 『なんでだろう』

編集長: 最近では、保育園幼稚園向けに活動されているというお話を聞いたのですが。

トモ: デビューしてからずっと、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめるようなお笑いをというコンセプトでやっていました。大きな機会をいただいたのは昨年です。幼稚園や保育園の先生が集まるワンダーサマースクールというイベントに出演しませんか? と佐藤弘道お兄さんが声をかけてくださったんです。そこに出演させていただいた時、今度は絵本作家の藤本ともひこ先生が「なんでだろう」を絵本にしたいんですけどどうでしょうと声をかけてくださいました。「なんでだろう」は子ども達がみんな通る道で、なんでこれはこうなったんだろうというのを追求してノーベル賞を受賞する人もいるくらい。「なんでだろう」ってすごく大切だから絵本にしたいとおっしゃってくださったんです。

テツ: 僕達は、絵本という発想が全くなかったので目から鱗で、意気投合して。

トモ: 7月に絵本『なんでだろう』が出版されました。ここ2年ほどで一歩踏み込んだ活動をしていますね。小さいお子さんのお客様が増えてきているので、子ども達向けのネタを最近は増やしています。一緒に声を出して歌ったり踊ったり、手遊びなどのネタもやり始めているところです。

編集長: すごいですね、ネタが絵本になるのって。

トモ: CD しか作ったことがなかったので、絵本を読んでもらえるのかな? と思っていたのですが、想像以上にみなさんが買ってくださるんですよ。ご家族、保育士さん、そしておじいちゃんおばあちゃんはお孫さんに買ってくださいます。絵本ってすごい力を持っているんだなって感じて ます。

絵本『なんでだろう』(世界文化社)|CD「テツandトモの元気になれるの なんでだろう?」(キングレコード)

テツ: 定番の昆布ネタが入っています。それに、ちゃんとメロディが載っているんですよ。

編集長: 普通に朗読してもいいし、メロディつけてもいいし、保育園で人気になりそうですね。

トモ: だといいですね。子ども達に楽しんでもらえるものを形にできて良かったなーと思ってます。

テツ: お子さんがこの絵本を胸に抱いて一緒に写真を撮ったりするんですけど、その姿を見て「ありがたいなあ、嬉しいなあ」と思いましたね。

「子どもからお年寄りまで楽しめる」がコンセプト

トモさん

編集長: ネタはどうやって作っているんですか?

トモ: 以前は、「居酒屋のなんでだろう」「小学校のなんでだろう」とか、範囲を決めて分けて考えていました。最近は、企業さんの周年パーティに呼んでいただくことが多いので、事前に企業さんにお話をうかがって、その日しかできない「なんでだろう」を作っています。みんな思っているけど口に出さないようなことをネタにしてやるとすごく盛り上がります。

編集長: 保育園の「なんでだろう」もあるんですか?

トモ: この前やりましたね。

テツ: 先生に話をうかがって。使用済みのティッシュをエプロンのポケットに入れたまま洗濯をしてぐしゃぐしゃになっちゃうとか。

トモ: 休みの日は、子どもが集まりそうなトイザらスやショッピングセンターを避けてしまうとか。

テツ: これはどこに行ってやってもすっごいウケるんで、みんなそうなんでしょうねえ。

編集長: あるあるですね(笑)。子ども向けの鉄板ネタはありますか?

テツさん

トモ: 年齢によって違いますね。小学生になればネタの中身がわかってくるので、みんなが経験していそうなことをやれば、盛り上がります。

テツ: もっと小さい子ども達は見た目で笑うことが多いので、動きの面白さや変顔、わかりやすさを考えています。言葉だけだとわかりづらいところを動きでフォローするなどを意識的にやっています。子ども達って体動かしたり、踊ったりとか歌ったりとかがすごい好きなので。

トモ: ずっと真似して動いてくれる子どももいますよ。

編集長: 手をクロスさせる動き、みんな真似しますよね! なんでこれになったんですか?

テツ: 練習中に、トモが「なんでだろう~なんでだろう~」って歌ってたら、僕の手が勝手に動いてたんですよ。

トモ: 初めはもうちょっと違う動きだったんです。

テツ: NHK の『爆笑オンエアバトル』という番組で披露したんですけど、ちょうど僕の母が見ていて、「あの手の動きはなんや! 汚い!」とダメ出しをくらいまして。母は日舞の家元だったんです。日舞の手のしなやかな動きを取り入れなさいと言われ、改良してこの動きになりました。

編集長: 日舞なんですね! 子ども向けで活動する際に気を付けていることはありますか?

トモ: こっちが一方的にやるのではなくて、一緒に歌ったり掛け声をかけてもらったりっていうのがいいですよね。以前、NHK BS の『みんなDE どーもくん!』という子ども番組で6年間レギュラーをやらせてもらったんです。出演する前は一方的にネタをやるだけだったのですが、子ども達と一緒に楽しむということを学びました。

テツ: この番組は色いろ勉強になりました。あとは、叩いたり蹴ったりしない。

テツandトモさん

トモ: デビューしてすぐの頃はツッコむ時に頭を叩いていたんですけど、ある時、子ども達に「頭叩いちゃダメなんだよ」と言われたんです。子どもってそういうところに敏感なんですね。もちろんそういう笑いも有りですが、僕達は子どもからお年寄りまで楽しめるものというコンセプトでやっているので、みんなが一緒に安心して見られるものにしようと思いやめました。下ネタも極力入れません。あれはあれで面白いし、大人の笑いとしてはかまわないんですけど。

テツ: 人の悪口を言って笑いを取るのもしません。誰も傷つかないようにしようって。物足りない、毒がないってよく言われますけど、僕達はそういうスタイルだから。

編集長: 保育園だと、そういうネタのほうが受け入れられそうですね。

トモ: そうですね。安心して呼べます! とよく言っていただけます。

困ったときは「なんでだろう」で乗り切って!

編集長: 読者の方へのメッセージをお願いします。

テツ: 自分が本気で一緒に楽しむことかな、と思います。僕がライブで気を付けていることは、与えられた時間内で本気で楽しむこと。楽しみすぎて相方に怒られる時もありますけど、本気で楽しむことできっと伝わるんじゃないかなって。

トモ: 保育士さんは大変なお仕事だと思います。ストレスがあれば、上手く発散しながら楽しんでいただけたらと思います。

テツ: 以前ケンカをしてる子ども達の前で「なんでだろう」をやったことがあって!

トモ: そうそう! イベントが終わった後、その子ども達の前で「なんでだろう~」と歌ったらケンカを忘れて一緒に踊りだしてくれたんです。

テツ: 流れると子ども達が泣き止むというピアノのCM の曲と同じ効果があるんじゃないかなと(笑)。保育士さんへの最大のメッセージは、困った時は「なんでだろう」やってください、かな(笑)。

テツandトモ

テツandトモ

経歴

1998年コンビ結成。「なんでだろう」が2003年新語流行語大賞、年間大賞を受賞。同年、NHK「紅白歌合戦」に白組歌手として出場。今年7月には初の絵本『なんでだろう』を発売。10月にはアルバム「テツandトモの元気になれるの なんでだろう?」をリリース。現在テレビ出演のほか、全国各地でお笑いと歌のステージを展開中。

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