対談

ベビーマッサージをしてあげると、ほわ~んとした、リラ~ックスした自分は愛されているんだな~っていう表情になるんですよ!──蛯原英里さん

ベビーマッサージをしてあげると、ほわ~んとした、リラ~ックスした自分は愛されているんだな~っていう表情になるんですよ!──蛯原英里さん

きっかけはNICU勤務と一冊の本

編集長: 蛯原さんがベビーマッサージを始めようと思ったきっかけを教えてください。

蛯原: きっかけは本屋で見つけた1冊の本なんですが、それにつながるまでの土台があるんです。もともと私は看護師をしていて、新生児集中治療室(NICU)にいたんです。NICUってご存知ですか?

編集長: いや、ちょっとわからないです。

蛯原: NICUは、最近だと『コウノドリ』っていうドラマに出てきたんですけど、予定日より早く生まれた小さな赤ちゃんや障害がある赤ちゃん、他の病院で生まれたけど状態が悪くて搬送される赤ちゃんが入院するところです。 赤ちゃんがNICUに入ると、当然ママは赤ちゃんと一緒に家に帰れなくて、離れ離れになってしまうんですね。それで、自分が早くに産んでしまって申し訳ないという気持ちが強すぎたり、呼吸器や点滴が繋げられている赤ちゃんを見るのが辛くてなかなか面会に来られないママやご家族もいらっしゃるんです。そこで、状態が落ち着いてきたら積極的に取り入れられるケアというのが「触れる」ということなんです。「カンガルーケア」という、産んだらすぐに抱っこする素肌と素肌の触れ合いがあるのですが、NICU医療では積極的に取り入れていて、それをやることによって親子の絆が深まったり、自責の念が和らいで赤ちゃんが認めてくれた気がするなど、ママが前向きになったりするんですね。私は、目の前で肌の触れ合いによるママやご家族の反応を見ていたんです。

対談風景

その後、違う仕事もしたのですが、やっぱり興味はあるので、本屋のベビーコーナーを覘いていたらベビーマッサージの本に出会いました。そして、やっぱり触れ合いってすごく大切だな、もっと広げていきたいなと強く思ったんです。目の前の人の役に立ちたい、笑顔が見たいという思いもありましたし、それがきっかけです。NICUで働いていなかったら、ベビーマッサージはやっていないんじゃないかと思います。

編集長: 私もベビーマッサージの資格は持っているんですが、ベビーマッサージの良さはどういうところでしょうか。

蛯原: ご存知でしょう(笑)。そうですね、触れることで家族の絆が深まったり、笑顔になるというのが良さですよね。表情が全然違います。それはママもお子さんもそうです。家族が笑顔になるっていうのが一番かな、と思います。
マッサージをしてあげると、ほわ~んとした、リラ~ックスした表情になって、体がポカポカしてきたり、笑顔になったり、自分は愛されているんだな~っていうのがわかるような表情になるんですよ! こちらから伝えていることをそのまま受け入れてわかっているような感じがするんですよね。

いっぱい触れて絆を深める

編集長: 日本チャイルドボディケア協会代表として、具体的にどんなことをされているのですか?

蛯原: 今は主に講演、トークショー、イベントをやっています。出産前はレッスンを年間1,000~1,500組行なっていました。

編集長: 講演会で、これだけは伝えたいというメッセージってありますか?

蛯原: いっぱい触れるということです。それは肌と肌の触れ合いだけじゃなくて、気持ちと気持ち、音、雰囲気、その場を共感するっていうのも触れるってことなんですよね。触れ合うことでしっかりコミュニケーションを、アイコンタクトを取っていきましょうというのは伝えています。
ベビーマッサージは赤ちゃんを裸にして行うのですが、実際に育児をしているとそんな余裕がなかったりしますよね。もちろん裸でやるのはすごく良いのですが、お洋服の上からでもいいし、じっくりやらなくても子どもが寄ってきたときにしっかりと「大好きだよ」と伝える、短い時間でもしっかり見ているよということを伝えるようにしましょうと言っています。
ベビーマッサージの根本って、触れることでしっかり親子の絆を深める、自分は愛されているなと思うことで生きる力にもなるってことなんですよね。今は、そういうことを伝えていくのが自分の役割だと思っています。
保育園でもベビーマッサージを取り入れているところ、ありますよね?

編集長: そうですね。先生が資格を持っているとその先生がやったり、土日に保護者を呼んで教室をやったりするところもありますね。

蛯原: 保育士さんや看護師さん、助産師さんなど、子どもに関わる有資格者さんに向けてベビーマッサージの資格を提供したい、資格を取ってもらいたいと思っているんです。
自分のお子さんを連れてレッスンを受ける保育士さんや看護師さんが多いのですが、育休中に受けたかったという方々が多くいらっしゃいます。最近、産婦人科やクリニックから声がかかるようになってきていて、すごく嬉しいですね。

イチャイチャタイムで安心感と満足感

編集長: 仕事と子育てを両立するための秘訣ってありますか?

蛯原: うちの場合は、仕事の前日と当日の朝、娘にスケジュールを伝えています。明日は何時からお仕事があるから何時くらいに家を出るよとか、誰々に預かってもらうよとか、何時くらいに帰ってくるから待っててねとか。そして、朝はイチャイチャタイムを作るようにしています。今は落ち着きましたが、一時期は朝起きてすぐ支度をしてしまうとずっとグズってたんですね。それで、結構早く起きて時間に余裕があるので、イチャイチャするようにしたんです。そうすると本人も気持ちが満たされるようで、その後グズらないで出かける支度ができるようになりました。

対談風景

子育てする上では、目線を合わせる、気持ちも同じ目線で考えてあげる。それから、先々に手を出しすぎないように見守って、できるだけ本人のやりたいことを尊重してあげたいと思っています。あとは、笑顔で接する! それには元気でないと自分でいっぱいいっぱいになってしまうので、まずは親が健康、そして子どもも健康、というのには気を付けています。

編集長: 娘さんは今おいくつですか?

蛯原: 今2歳半です。

編集長: 保育園や幼稚園へは?

蛯原: まだ行っていないんですよ。4月に入園する予定なんです。私が小さいころは保育園に行っていて、毎日楽しく遊んでいました。それでも小学校に入って勉強であまり苦労しなかったし、小さいうちはまだ勉強には特化しなくていいと思っているんです。体を動かすことは健康にも脳の発達にも繋がると思っているので、体をしっかり動かして、友達関係や礼儀など、そういうベースの部分をちゃんと教えてあげたいと思っています。
私が宮崎の田舎育ちなので、自然に触れさせたいと思っているのですが、東京だとなかなか難しいですね。できたら自然の多いところでのびのび育ってほしいと思います。
親としては、モンスターペアレンツにならないようにしたいですね(笑)。園では先生が一番の責任者だし、私はその状況を見ていないので、先生に言われたことをそのまま受け入れる。先生を信頼したいと思っています。

編集長: 最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

蛯原: 人と接することを職業としてやっていくことって、誇りだと思うんです。保育士って、看護師もベビーマッサージもそうですけど、人が大好きじゃないとできないですよね。保育士さんは子どもをはじめご家族など人と接することがとても多いので、人との繋がりが大好きな人達だと思います。ですから、人と接して人を繋げていくことを誇りだと思ってやっていってほしいです。

蛯原 英里(えびはら・えり)

蛯原 英里

ena AMICE(エナ・アミーチェ)代表。日本チャイルドボディケア協会代表。
NICU(新生児集中治療室)にて約6年間勤務。ベビーマッサージ・ベビーヨガレッチなどの資格を取得し、2012年 ena AMICE (エナ・アミーチェ)設立。2015年 日本チャイルドボディケア協会 設立。
『ママと赤ちゃんがHappyでいられるように』とベビーマッサージはもちろん、ママと赤ちゃんが一緒に出来るベビーヨガレッチやママ向けのエクササイズなど様々な講座を開催。また、「ママになっても一人の女性」という願いから日本中に素敵なママが増えてくれるように日々活動しています。
2014年、第一子出産。自身もママとして育児に奮闘中。