対談

子ども達は大人の背中を見て育つ 大事なのは全部「今」の大人──つるの剛士さん

子ども達は大人の背中を見て育つ 大事なのは全部「今」の大人:つるの剛士さん

夫婦の仲が良ければ、子どもはそれなりに育ってくれる

編集長: タレントとしてだけでなく、イクメンとしても注目されているつるのさんですが、子育てに関してなにか大事にしていることはありますか?

つるの: そうですね。イクメンと言っていただけるのはありがたいのですが、僕自身で言い出した単語ではないですし、自分自身も「育児を頑張ってます!」という意識は特にないんですよ。
もともとNHKで「すくすく子育て」という番組をやっていたときに男性が育児休暇をとるっていうテーマの回があって、その時に漠然と「僕も育児休暇取ってみたいな」って思ったんですよね。
「ヘキサゴン」に出演したり、『羞恥心』で歌ったりしていて忙しい時期に、4人目ができて、「じゃあ仕事も忙しいし、育児休暇を取ろう」ってことになりました。家庭がうまくいってないと、仕事もバランス崩してうまくいかないぞっていうことを親父に教えられてきたのもあって育児休暇を取ったんですけど、なぜか流行語大賞までいただきました。
夫婦の仲が良ければ、子どもはそれなりに育ってくれるっていう僕の勝手な育児のモットーがあるんですけど、というのも、僕の両親もとても仲が良く、いつも明るい家庭で、それが自分の一番の基本になっているので、育児というよりは夫婦関係を大事にしたいという感じでしたね。

つるの剛士さん

編集長: そうなのですね。実際に育児休暇を取ってみた感想を教えてください。

つるの: 初めての育児休暇だったので、妻が普段やっていることをひと通り経験してみました。
妻には4人目の子のお守りをしてもらって、僕自身は上のお兄ちゃんの育児をやろうと思い、朝起きて、お弁当を作って、幼稚園に送って、その後に時間ができるので、妻と二人でランチに行ったり、自分の趣味をしたりなどして過ごしました。子ども達のお迎えに行ったら、その後、一緒に買物に行ったり、夕飯を作ったりということをしていたんですけど、僕自身は初めて経験することも多くて、すごく楽しかったんです。
ただ、僕の性格もあると思いますが、毎日同じことをしなければいけないのが辛かったですね。あとは、お迎えの時間が来ると中断しなきゃいけないこともたくさんあったりして、それが世の中のお母さん達のストレスになっているのかなとも思いました。
男性は社会に出ると、仕事で達成感を感じることも多いんですけど、女性は日頃時間に追われていて、達成感を得ることがなかなかできないっていうのかな。2か月の育児休暇の中で、世の中のお母さん達のストレスっていうのは、多分ここが一番大きいなって思ったので。それが分かったのは、すごくいい経験だったと思いますね。

編集長: それは本当に貴重な経験ですよね。男性の育児休暇も今後、ますます増えていくかもしれませんね。
次に、今回の保育園取材のテーマが「自然」に関してなのですが、つるのさんはセミがお好きということで、幼少期から生き物や、自然と触れ合うことは大切だと思いますか?

ペットを飼うことで生き物の命の尊さを学べた

つるの: 絶対大事ですね。僕はずっとペットを飼ってきたんですけど、生きているからいつか死んじゃうっていう、生き物の命の尊さを学べたと思っています。もちろん、小さい時は残酷なこともしていましたけどね。虫をもいで解剖してみたり、カエルの皮をはいだり(笑)。でも、そのおかげで命をすごく身近で感じることができたと思います。
今、うちにもネコ2匹、犬1匹、こ~んな(手を大きく広げ)でかいトカゲ1匹がいますけど、子ども達には日頃から、「お前たちより先に死んじゃうから、短い人生を一緒に楽しもう、家族として生きようね」という話をするようにしています。

編集長: 命の教育にもなっているということですね。つるのさんは今藤沢にお住まいということですが、やはり自然が多いところに子どもを住まわせたいという思いがあったのですか?

つるの: いや、そういう意識はなかったんですけど、僕自身、自然あそびが好きで釣りやサーフィンや山登り、畑仕事がバランスよくできる場所が自分にとって藤沢だったんです。
藤沢の何が良いって、そこに暮らす親御さん達なんですよ。親御さん達がとても楽しそうに生きているので、遊びも沢山知っているし、仕事もして、すごく良いバランス感覚っていうのかな。良い意味で肩の力が抜けてるんです。そういうのを子ども達が感じとっているので、すごく良い場所だなと思っています。

編集長: :つるのさんは雑誌の企画で幼稚園を訪問されていますが、今の保育園や幼稚園を見て思うことはありますか?

つるの: 色いろと取り組んでらっしゃるなとは思いますね。ずっと裸足で生活していたり、外でずっと上半身裸で遊んだり、色んな幼稚園があるんだなって思いました。でも、今も昔も変わらず、子どもは楽しんでいますよね。

編集長: いま、子どもと関わっている保育士さんや幼稚園の先生に、伝えたいことはありますか?

つるの: 僕も幼少期の記憶ってすごく残っているし、初恋はやっぱり先生だったし、自分の人生においても重要な時期だと思うんですよね、今思えば。
子どもの人生を大きく左右する仕事でもあるから、やりがいのあることだけど、一方で責任も大きい仕事だと思うんです。でも、あまり気負わずに、子どもの目線になって、やっぱり先生達も楽しむことっていうのが大事だと思いますね。

「子どものため」と肩に力を入れすぎず自分達に重点を置くのも大事

対談風景

編集長: では、子どもにかかわる大人のあり方や、これから子ども達を教育していく大人達が、どうあるべきだと思われますか?

つるの: 難しいですね(笑)。
でも、実際、僕もこうしてちゃんと育って、夢を叶えて、仕事をしていて。大人がどう生きるかってことが、背中を見ている子ども達に伝わっていくと思うんですよ。今の自分の仕事もそうだし、趣味もそうだし、生活観っていうのかな、そういうのが僕は大事な気がしていて。
子ども子ども言っていると、肩に力が入っちゃうし、育児も堅苦しくなってくるし。夫婦関係にベクトルを傾けてみるとか、まず自分のため、妻のためっていうことに重点を置いていくのも、僕はいいと思うんですよね。

編集長: なるほど。親子イベントをされるときも、やはり子どもよりも大人へのメッセージの方が大きいですか?

つるの: :そうですね。今の親御さん達って、子どものために何かしなきゃいけないみたいな人が多いんですよね。
例えば、趣味にしても、遊びにしても、楽しみ方が分からない人がたまにいるんですけど、僕は趣味を楽しめないと仕事もできないので、サーフィンしたり、釣りしたり、山登りしたり、畑仕事したり、色いろやって、僕が楽しいから子ども達も付き合わせようかなって感覚なんです。
だから、僕は子どもっていうよりは、今の大人達がどうすべきなのかっていうことの方が大事なような気がします。

編集長: つるのさんが、ご両親から言われて、一番心に残っていることはありますか?

つるの: :やっぱり、「人のためになれ」ってことかな。その言葉が、こうやって夢を追って、芸能界に入って、歌を歌ったりバラエティにでたりすることにつながっているので。原点みたいなものですね。
例えば、今は絵を描くのが楽しいだけかもしれないけど、将来お金をもらうんだったら、絵を見た人達がどういう風に感じるか、その人達の人生にどう影響を与えていくのかを考えると思います。どう人のためになるのかっていうことがすべての原点になっていくと思うんですよね。僕は子ども達にこれだけは伝えたいと思っています。
あとは、物心がついたら、親父がああ言ってたから、母親がこうしてたから、自分もそうしなきゃって思うと思うんです。うちは両親の仲が良かったから、自分も自然とそういう家庭環境作りたいなって思ったし。
だから、やっぱり大事なのは全部「今」の大人なんですよ。

編集長: 最後に、読者の方と、また、保育士や幼稚園の先生を目指している学生さんに向けて、メッセージをお願いします。

つるの: 子ども達にとっては、人生においてもすごく大切な時間だと思うので、そこに携われるっていうのは、とても素晴らしい夢だと思いますから、皆さんには、明るい未来を描いて、ぜひとも頑張っていただきたいと思います!

編集長: つるのさん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

つるの剛士

つるの剛士

経歴

1975年5月26日生まれ。福岡県北九州市出身、藤沢市在住。
「ウルトラマンダイナ」のアスカ隊員役を熱演した後、2008年に“羞恥心”を結成しリーダーとして活躍。
一躍時の人として人気を博す一方で、2009年にカバーアルバム「つるのうた」をリリースし35万枚を売上げオリコン1位を記録。続いてセカンドカバーアルバム「つるのおと」では25万枚を売上げ、トータル60万枚のセールスを記録し、以降精力的に音楽活動を行っている。
将棋・釣り・楽器、サーフィン・野菜作りなど趣味も幅広く、好きになったらとことんやらなければ気が済まない多彩な才能の持ち主。一男三女の父親。

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