保育園訪問

江戸の文化を繋げながら新しい保育のかたちを作っていきたい──EDO日本橋保育園

江戸の文化を繋げながら新しい保育のかたちを作っていきたい──EDO日本橋保育園

2020.7.15

EDO日本橋保育園さんについて教えてください。

園長:石川美智子さん

EDO日本橋保育園は、江戸日本橋という昔ながらの地域に根付いた保育園を作っていこうと、昔ながらのものと新しいものを融合し、温故知新というかたちで、地域そして未来に繋げていくということをコンセプトにした保育園です。
園を新たに立ち上げる中で、新しい江戸の文化をどのように表現するかということがテーマになりました。そこで、今後子ども達の環境の中にもAR(Augmented Reality、拡張現実)やVR(Virtual Reality、仮想現実)といったものが入ってくるだろうという考えから、そういった新しい技術と江戸の文化を繋げていけるようにしようということになり、EDO日本橋保育園はAR を取り入れた新しい保育園となっています。
江戸の表現というテーマがあるので、外観に市松模様の雰囲気を持たせました。内装の天井も市松模様ですね。ただ、基本的にAR で表現していくという方向で考えているので、ごちゃごちゃした装飾は控え、映像を投影しやすいように壁の面積を広く取っているという特徴があります。

どのようにAR を保育園に入れ込んでいるのですか?

今入れてあるのは、桜の花びらの画像を人が蹴ったりすると花びらが舞い散るというAR です。これは玄関の床に投影してあります。今は春ということで桜なのですが、日本の四季が感じられるように、春夏秋冬でそれぞれ題材が変わります。
他に、プレイルームとランチルームにもAR 設備を設けてあります。そこでは、子ども達が作った製作物を映像化して投影し、それが自動で動くというAR を実装する予定です。たとえば、子ども達がこいのぼりを製作したとします。それを空の背景とともに壁に投影すると、こいのぼりが生きているかのように空を泳ぎ回るといった具合です。行事や製作物に合わせてAR を組み合わせていく予定です。また、数字合わせや文字探しなど、遊びや知育分野でも取り入れていきたいと考えています。

AR のメリットは何でしょうか?

まちのてらこや保育園

たとえば内装は、一度決めたらなかなか変更ができませんし、お金も期間もかかります。しかし、AR なら比較的容易に表現を変えることができます。このEDO日本橋保育園はオフィスビルや商業施設に取り囲まれており、樹木や畑なども園にはありますが、やはり子ども達に実物を提供することに限りがあります。そこにあるもの、地域の資源だけでは足りないものを表現し、補えるという部分が大きなメリットとしてあると思います。桜の木がなくても桜を表現できる、海がなくても海を表現できる。実際に見て触れるに越したことはありませんが、知識と経験を積むというひとつの入り口になれば良いなと思っています。
開園当初はTV でも放映していただいたのですが、子ども達が玄関で桜を散らす作業をずいぶんとやっていたようです(笑)。こうやったらこうなる、ああやったらどうなる? といった好奇心を刺激しますし、やっぱり単純に面白い、きれいだというのはありますね。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の間、何か取り組みはされていましたか?

製作と動画と研修を行なっています。製作では、ONE ROOF TOYS オンラインモールというサイトを立ち上げて、自粛に伴って保育園にお子さまを預けられないご家庭に向けて、保育士が作った手作り玩具を無償提供しています。保育園というのは労働集約型の産業なので、正直な話子ども達がいないと仕事にならないという部分があります。そこで保育士が在宅勤務になっている間に、今まで培った玩具製作などで社会に還元できるようにと思ったのです。保育士も本気で作っているので、なかなかのクオリティなんですよ。おかげさまでご好評をいただいております。
動画は、インスタライブですね。これは職員達が自主的に始めたものです。内容は手遊びやクイズ、踊りなど子ども向けのものから、遊びのしかけなど保護者向けのものまで色いろなものがあります。また、保護者の方もどんな職員がいるのか気になると思いますので、職員紹介動画もあります。こちらも良いコメントをいただいていますね。
この2つはご家庭向けで、職員向けとしては研修があります。動画で研修を行なったり、外部講師をお呼びしてミーティングアプリでのオンライン研修をしています。それから、メンタルヘルスケアですね。法人ではメンターメンティー制度を取り入れているので、メンターメンティー間がオンラインで繋がる場を設けました。また、グループを作って1つのテーマについて話し合ったりしています。これは保育研修というよりメンタルヘルスを考えたものなので、保育とは関係ない、たとえば好きな本や映画を紹介するとか、そういった内容になります。今までにない異常な状況になってしまったため、職員も不安が大きいのではないかと思い、メンタルヘルス系はけっこうやりましたね。

今後の展望を教えてください。

子ども達がワクワクするような、それでいて落ち着いておうちのように過ごせる場所をと考えています。

新型コロナウイルスの収束の仕方によって変わってくるとは思いますが、新しい保育のかたちというものを明確にしていかなくてはいけないと思っています。それが果たして今後の保育にどういう風に影響を与えていくかというのはしっかり考えなくてはいけません。今は、保育園利用者を段階的に受け入れるというかたちにはなっていますが、その方法等も全部手探りなんですね。子どもの命を預かる立場として、たとえば慣らし保育なしで登園させるというのはやっぱりできないし、すべきでないと思うんです。社会的にもっと保育園の受け入れについて前向きな意見がたくさん出てくるように、そういった部分の周知など、社会に向けて情報化し発信していかなければいけないと考えています。
EDO日本橋保育園としては、AR をもっと充実させて、近未来的な新しい保育園というかたちで、日本橋という日本の中心から発信していきたいですね。

※今回は新型コロナウイルスの影響を鑑みてオンラインにて取材させていただきました。

EDO日本橋保育園

EDO日本橋保育園

住所

〒160-0015
東京都中央区日本橋3-15-10

アクセス

東京メトロ東西線・銀座線、都営浅草線 日本橋駅より徒歩4分
都営浅草線 日本橋駅より徒歩7分

開園時間

月~土 7:15~18:30、延長18:30~19:30

連絡先

TEL:03-6262-5971 FAX:03-6262-5972
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