保育園運営のヒント

ハピニコマスター★ヨンヨン先生の\保育士・幼稚園教諭向け/マネジメント講座──第2回【リーダーシップついて】人を導くうえで必要となる要素

ハピニコマスター★ヨンヨン先生の\保育士・幼稚園教諭向け/マネジメント講座──第2回【リーダーシップについて】人を導くうえで必要となる要素

2022.7.15

前回のおさらい(第0回より抜粋)

部下がそれをやろう、やりたい、やらなければと思うようにするためには、どこの環境をどう変えればいいかという発想をする必要があります。大切なのは、伝える力です。言葉でなくとも環境でもって意思を伝え、相手から必要な行動を引き出すということは、立派なリーダーシップです。

リーダーシップについて

編集部: 新年度が始まり、新しくクラス担任や主任になった方へぜひ学んでほしい「リーダーシップ」。
実は保育園は先輩後輩や年功序列のある縦社会で、自分の意見・提案を出すこと、現場を引っ張っていくことは至難の業と言われています。
今回も園から届いた悩みを参考に、知識のアップデートをしていきましょう!

読者のお悩み①

保育士歴6年の保育士です。新年度になり初めて主任を任されました。新設の園ということもあり、自分が園の雰囲気を作っていかなければと奮闘しています。積極的に悩み事が無いか聞いたり、保育関連のセミナーに参加、それを職員間で共有したりしています。しかし同僚達からの反応は今ひとつ……張り切れば張り切るほど空回りしている感があります。そもそも自分には主任が向いていないのではと悩んでいます。

嶋津: まず、リーダーシップの執り方は人それぞれなので、はなから向いていないと思わないことが重要です。時代によってリーダーシップの執り方も変わってきていて、決めて引っ張っていくというのがリーダーシップだった社会から、今は支えるリーダーシップに変わってきています。リーダーと言っても色いろなタイプがありますので、リーダーに向いていないと考えるのではなく、自分に合ったリーダーシップの執り方を見つけられていないと考えてみてはいかがでしょうか。どういうリーダーシップの執り方が自分に向いているのかを見つけていただけたらと思います。

それでは早速リーダーシップについてお話したいと思います。
リーダーは往々にして、生産性の上がらない原因や部下の育たない原因を、まだ自分が知らない何らかの特殊なスキルやテクニック(マネジメント)のせいにして、それさえ知っていれば問題は解決す ると思いがちです。
他人がやっているやり方やスキル(マネジメント)の情報を得たいと一生懸命になり、手に入れば次々と試すが、結局どれもうまくいかない。決して人としての自分(リーダーシップ)に問題があると は考えずに、自分が得たスキルやテクニック・情報のせいにしていることが多いかと思います。その考えではいつまで経っても何も解決しないという悪循環に陥ってしまうのです。

マネジメントとは資源(人、物、金、情報、時間)を最大限に活用しやりくりする能力で、リーダーシップとは強い使命感を持ち、周りと信頼関係を構築し、周囲を巻き込み、人を導いていく能力なので、まずは周囲を巻き込んでいく力が重要となります。誰でも主任になれるわけではありませんので、ぜひ、関係性の構築から始めてみて、自分のリーダーシップの執り方を見つけていきましょう。

【ワーク】あなたにとってよいリーダーの条件を書きだしてみてください。

編集部: いつまでも問題が解決しないのにはこんな理由があったのですね!
資源を最大限に活用してやりくり……、でも実際「人を導いていく」には相当な努力が必要なのでは?
既存園の方針を途中から変更した経営者の方は、こんなお悩みを抱えているようです。

読者のお悩み②

保育園のエリアマネージャーをしています。近年の保育指針を参考に園の方針を「見守る」という子ども一人ひとりのペースを大事にしたものに変更しました。しかし何度言っても現場の園長・保育士は「一斉保育」という今まで染みついたやり方を変えるつもりがなく、挙句には「現場に出たことがない人が言うことは理想論」と聞く耳を持ちません。

嶋津: 変化をなかなか受け入れてくれないこのようなケースって、現場ではよくありますよね。
ものの見方や考え方がまったく同じという人間はこの世にはいません。仕事とは1日の約半分は人との交渉に時間を費やされる、と言われるくらいなので尚更、そのような人達を巻き込んでいく力が重要となります。ただし、人の価値観を変えて自分の価値観を押し付けようとすればするほどムリが生じ、不満やイライラも募ります。
健全な人間関係は「あなたはあなたであって私ではない」「私は私であってあなたではない」という、相手を尊重し、相手との考えの違いを受け入れることからすべてが始まります。

今一度自身を振り返ってみてください。もしかしたら、「分かってもらうことに一生懸命になり、相手を分かろうとしていない」という部分があったのではないでしょうか。目に見えない相手の心の中や、頭の中を理解するには、まずは自分の考えを伝えることからではなく、相手を理解するところから始めてみると、自然とコミュニケーションの質も高まっていきます。ぜひ、実践してみてください。

【ワーク】次の項目を、自分の中で優先順位が高い順番に並べてみましょう。/①子どもとの関係 ②業務内容や働き方 ③職員との関係 ④保護者対応 ⑤健康管理 ⑥プライベート ⑦給料・福利厚生
まとめ

「人間は1人で生きているわけではない」と言われるように、仕事も1人で大きな成果を出し続けるは限界があります。そのためには、リーダーシップを発揮し、周囲を感化させ、1から2にしていかなければならない成果を、1から3や4に増やしていく必要があります。
リーダーシップとは、他人を巻き込む力そのものです。周囲を巻き込むためのコミュニケーションポイントを整理していくことが、多くの協力者や支援者が自然と集まってくるような魅力あるリーダーに近づける一歩となりますので、常にこのあたりを意識して考え行動していくようにしましょう。

総まとめ

リーダーシップ、自分で考えていたイメージと合っていましたか?
今回お悩み相談された2人も1人で頑張りすぎる傾向があるようです。大事なのは「他人を巻き込む力」! 保育は「チーム」です。1人で抱え込まず皆で協力し合うことで真のリーダーシップを発揮できるのです。
次回もリーダーシップについての続きについて学びます! お楽しみに!

嶋津良智(しまづ よしのり)

嶋津良智

経歴

教育コンサルタント。上司学のプロフェッショナルとして、国内、海外で講演・企業研修・コンサルティングを行い、メディアにも多数出演。
シリーズ100万部のベストセラー『怒らない技術』(フォレスト出版)をはじめ『子どもが変わる 怒らない子育て』(フォレスト出版)、『7日間イラオコダイエット』(EVO出版)など、著書累計は29冊で150万部を超える。
主な役職として、一般社団法人日本リーダーズ学会代表理事、リーダーズアカデミー学長、早稲田大学エクステンションセンター講師を務める。

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