保育園運営のヒント

教えて! 川邉先生~子どものお悩み解決します──第14回 読者からの質問にお答えします! 口呼吸が気になります/歯並びの改善は可能なの?

教えて! 川邉先生~子どものお悩み解決します──第14回 読者からの質問にお答えします!

2020.1.15

大人でも歯並びを改善していく事は可能なのでしょうか?!(K.Mさん) 子どもの口呼吸が気になります。(はるとんさん)

口呼吸は子どもだけの問題ではありません。大人も現代人のほとんどがこの問題を抱えています。
大人でも歯並びが変わるかということですが、矯正として考えると無理だと言えます。しかし、成長の異常だと考えれば、すべてのステージと年齢で可能になります。もちろん子どもに比べて限界はありますが、呼吸と飲み込みのトレーニングと考えると、ほとんどの病気の予防のトレーニングとなることがわかります。
呼吸、嚥下の機能の問題から始まり、消化、排泄までの機能の問題をトレーニングで日常生活を良くしていくという方法です。オーラルトレーナーは、矯正器具ではなく、口腔内の筋肉をそれぞれの形と特徴で成長・発達させるという呼吸と嚥下に関する機能の筋肉のトレーニング器具です。3歳からでも、生後3か月からでも可能です。
かわべ式姿勢咬合でのオーラルトレーナーの考え方は、基本の日常生活をトレーニングすることにあり、その中で様ざまなオーラルトレーナーの選択をします。オーラルトレーナーは、歯並びのためにあるのではなく、呼吸と、飲み込みの機能の成長とともに成長するように選択される装置ですので、本人と家族の協力で日常生活そのものを変えていきます。

現代人には、その90%以上が、歯並びだけでなく、口呼吸、視力障害、鼻閉塞、聴力の問題、虫歯、歯周病、睡眠障害、無呼吸症候群、糖尿病、片頭痛、脳血管障害、ガン、心疾患、肩こり、腰痛、全て呼吸と嚥下という生命現象の最も命に関わる問題があり、そのために様ざまな状態になってしまうのです。
今まで歯科医療では、歯並びの問題を硬組織(歯と顎の骨)の問題で、しかも遺伝的に問題があると考えており、矯正装置を24時間、しかも数年間入れ続け、そのわりに装置を外すと元に戻ってしまうという状況でした。しかし顔と体と心の発達から考えると、筋肉の運動機能、呼吸、飲み込み、消化、排泄までのトレーニングが重要になってきます。今まで悪い状態でずっと生きてきた大人、人生の最初でつまずいてしまった子ども。どれも良い生活習慣をしてこなかったに過ぎないのです。

良い生活習慣とは何か。生活習慣病の予防をする生活が良い生活習慣です。毎日の呼吸、呼吸姿勢、呼吸回数、機能的残気量との関係、目線と呼吸との関係は、食いしばりとの関係が大きく出てきます。
口呼吸という呼吸は本来無いのですが、現実に口での呼吸が現代人の呼吸になってしまっています。今の子ども達は、口を大きく開けても喉が見えません。舌を下げたり、喉を上げるとはじめて腫れているのが見えます。ほとんどの子どもが、扁桃腺肥大で喉が見えないために、睡眠時無呼吸症候群の状態を呈しています。喉の発達は、睡眠時無呼吸のために、頚椎の異常としてストレートネックとの関係が出てきます。その子ども達は、中学生くらいになると腰痛を伴います。成長過程において、口呼吸の問題は歯並びだけでなく、様ざまな病気や体の機能障害として現れてくるのです。
ですから、この2つに限らず歯の病気として捉える前の段階の原因を探れば、成長、発達の問題だとわかるのです。

子どもに対しては、親への教育と保育園への教育、大人に対しては、全身との関係を診ていき、まずは、呼吸と飲み込みにどのような問題があるのか、姿勢、顔の成長、頚椎、胸椎、腰椎、骨盤などとの関係を顔耳平面(※1)か診ていき、レントゲンで気道の問題を診ていきます。その上でのトレーニングの必要性と、歯並びとの関係を説いていきます。
オーラルトレーナーの歯並びに対しての問題の解決法は、毎日の生活習慣を楽しく良い生活習慣に徐々に変えていくことです。大変ですが、毎日の生活習慣を呼吸、飲み込み、食べ物、行動パターン、そして環境と変えていくことを取り込みましょう。大人でも子どもでも最初の3か月位の意識が変われば、どんどんトレーニングはレベルアップします。

※1 顔耳平面:立位で左右の耳の穴の中央部から眼窩下部までを結んだラインが作る平面が床面と平行が正常な目線と、咬合平面を作り上げる。後方に下がる場合には、後方重心で、喉ができていなくて、呼吸、嚥下の問題がある。

骨盤底筋(※2)の問題は、口を大きく開いてカラオケを1日2曲以上歌うことで予防できますが、2週間怠ければ、誤嚥性肺炎になりやすくなります。上下の歯は接触することは無いのですが、スプーンで奥歯に柔らかい食べ物を与えたり、おっぱいが浅くしか入らないで、空気も口から同時に吸ってしまうと、本来人間ではできないはずの口呼吸になってきます。成長に合わせて、体力の向上と、口腔内の成長発達に合わせてトレーニングもオーラルトレーナーも変わってきます。このトレーニングは、妊娠中や出産後のすぐの状態から始めれば効果はすぐ現れますが、年齢を追うごとに生活習慣を変えていかないといけなくなります。
現代の便利な社会が、人間という動物を静物として育ててきたことにより、生活習慣が全く変わったことで起きた病気としての発症が、歯並びという呼吸と飲み込みの異常によって起こる病態を作り上げてきたのです。その問題を育むのも、阻害するのも、環境としての周りの人々の知識と、経験によって左右されます。どの年齢からでも、どんな問題があっても目標ができれば可能になります。今までの常識としての知識と行動ではないことだけは、確かです。現代社会の大きな問題に対しての一つの回答が必要となってきているのです。

※2 骨盤底筋:内蔵の位置を保っているのが、骨盤底筋と言われる骨盤を支えている筋肉群。座り病で最も問題になるのが内臓下垂。内臓機能の異常、女性の場合には、生理不順、子宮筋腫などの原因。出産後、尿もれなどを起こしたり、老人が排尿、排便不全になるのも寝たきりでの骨盤底筋の下がり。

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川邉 研次

川邉 研次

経歴

新橋 未来歯科 院長
姿勢咬合セミナー主幹(27年以上続く姿勢と噛み合わせの歯科医師向けのセミナー)
Ken'sホワイトニングセミナー主幹

1984年静岡県菊川市にかわべ歯科を開業。2011年新橋に未来歯科開業。
従来の疾患中心型治療ではなく、「細菌単位でのお口の中のリスクを知り、その結果に基づき改善していく」「食事内容の分析・アドバイス」「姿勢指導や、呼吸などのアドバイスによる体質改善」「患者様の未来の目標設定」をコンセプトにした「予防」診療を行う。
歯科医・歯科衛生士向けの各種セミナー等も精力的に行なっている。

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