保育園運営のヒント

社会保険労務士川﨑先生の保育園で役立つ園運営お役立ち情報──第28回 妥協して採用してもよいのか?

社会保険労務士川﨑先生の保育園で役立つ園運営お役立ち情報──第28回 妥協して採用してもよいのか?

2018.3.20

社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティング代表の川﨑潤一です。

前回は採用にかかる時間やお金について、考えました。
従業員を採用選考する時、採用した後(教育をして戦力化して利益貢献してもらう)……
採用の目的である「利益に貢献してもらう」を達成するまでには、多くの時間とお金がかかります。
そのため、人を採用するということは、大きな投資を行うことなのです。

さて、今回は妥協して採用してもよいのか? について考えていきます。
どうしても人が足らないから、なかなか応募がないから……といった様々な理由で「なんとなく」採用していることはありますでしょうか。

妥協して採用すると失敗する可能性が非常に高い

結論から言いますと、妥協して採用しますとその採用は失敗する可能性が非常に高いです。
これまでも妥協して採用したことはありましたでしょうか。
その場合に、採用した人はその後どうなりましたでしょうか。

活躍しているのであれば、結果オーライかもしれません。
しかし、前回のコラム連載で説明したとおり、採用には大きなお金と多くの時間がかかります。
それなのに妥協し、イチかバチかの賭けのような気持ちで採用しても成功する可能性はかなり低いです。
それでも妥協し、採用するのでしょうか。

設備投資や既存従業員の給与を上げるといった投資には躊躇することが多いと思いますが、採用についても大きなお金と多くの時間がかかる投資です。軽い気持ちで採用している(投資している)といった事が多いように思います。
本当にそれで(採用するという大きな投資をしても)よいのでしょうか?

試用期間とはいえ採用してしまいますと、雇い続けるという義務が企業には発生します。
試用期間は通常よりも解雇しやすいですが、それでも解雇のハードルは非常に高いです。
それに、試用期間で採用した人を解雇するといった対応をした企業について、既存の従業員はどう思うでしょうか。
欠員補充での採用活動の場合、現場は人が足りずに苦しい思いをしています。

採用すること自体が目的となっていませんか?
採用することが目的ではありません。採用する目的は……もうおわかりですよね。

妥協して採用してしまうと、後でもっと大きな損失に繋がります。
例えば下記に該当する状況であれば、無理して採用せずに対応した方がよいのです。

  1. どうしても人が足らないから……
    この場合には、派遣や短期の高額アルバイトの採用など、臨時的な増員により乗り切りましょう。
    採用するよりも目先の出ていくお金は高くなるかもしれません。しかし、派遣期間や契約期間を有期契約とすることで、期間限定で雇うことが可能です。
    なんとなくで採用してしまい、後に大きな損失を出すよりはましです。企業経営をする上では、目先のお金だけではなく、中長期の視点で考えてください。
  2. なかなか応募がないから……
    この場合には、募集の方法や募集広告の見直し、職場環境の改善などを図ることで解決できます。
    募集方法などについては、この後の連載の中で記載していきます。

 

今回は以上です。
もう一度結論を言いますが、なんとなく採用するは止めた方がよいです。
気持ちが揺れそうな時には、大きな投資をする上で、採用するという決断をしても本当によいのか(目先の利益だけを考えていないか)、考えてみてください。

次回は、採用の失敗について記載する予定です。
どのような時に、なぜ失敗するのかを学ぶことで、失敗を回避する術を学びましょう!

川﨑 潤一

川﨑 潤一

経歴

社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティング 代表
株式会社ヒューマンブレークスルー認定ESコンサルタント、全国社会保険調査対策協議会会員

財閥系子会社、医療事務・介護事業会社の人事として、採用・給与計算・労働保険手続きを担当し、2011年4月1日に社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティングを開業。

ハローワークにて「助成金支給申請アドバイザー」として、窓口で支給申請の受理手続き(約700件)、相談・アドバイス、不正受給防止のため事業所への実地調査を行った経験がある。
その勤務経験から、企業に対して現状と今後の展望をヒアリングした上で、最適な助成金の提案・手続きを行っている。

社会保険労務士として、労働社会保険手続き、助成金手続き、就業規則の作成・改定、給与計算、セミナー講師を行う。
その一方で、人事マンの経験を活かし人事コンサルタントとして、採用コンサルティング、従業員満足度(ES)調査・向上コンサルティング、マネジメント能力向上研修(マネージャーMQ)、社会保険調査対策、人事制度構築といった人事コンサルティングにも力を入れている。

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