保育園運営のヒント

子ども・子育て新制度について
※Wel(ウェル):福祉系専門職のためのソーシャルコミュニティを運営しているサイト(http://www.wel.ne.jp

2014.07.15

子ども・子育て新制度について第3回 公定価格の検討内容と幼稚園の新制度移行

前回では、サービス利用時に直接関係する『保育サービス利用時の認定』、そして認定内容と関連性のある『施設の利用定員』についてお話しました。
今回は、公定価格の検討内容、および幼稚園への新制度移行に関する国の方針についてご紹介します。

公定価格とは

現行制度では、定員規模・在園園児数等に応じて保育園等に支払われる金額(いわゆる保育単価)や、各種加算の単価が決められています。子ども・子育て新制度では、これらを公定価格という呼称で表現しています。

公定価格の概要について

子ども・子育て支援法の27条3項1号等において、公定価格は『「認定の区分(1号、2号、3号認定)」、「保育必要量」、「施設の所在する地域等」を勘案して、算定される教育・保育、地域型保育に通常要する費用の額を勘案して内閣総理大臣が定める基準により算定した費用の額』と定められています。
認定区分や保育必要量の考え方は、子ども・子育て新制度で新設されるため、公定価格は、子ども・子育て会議等で新たに検討を行っています。
そして、平成26年4月に概要が提示され、公定価格の骨格を決める議論が実施されています。
平成26年6月現在、提示されている公定価格の概要は下記のようなものとなっています。
図のように公定価格は地域区分・定員区分・認定区分・年齢区分ごとに単価が分かれています。そして、保育においては保育標準時間の利用者と保育短時間の利用者で更に単価が分かれる構造になっています。

公定価格の概要
※出典:平成26年5月26日開催の子ども・子育て会議第15回より転載

公定価格単価設定について

 仮単価の提示

先ほど、公定価格の構造に関する概要図を掲載しましたが、実際の単価についても検討が進められており、「仮単価」という形で平成26年5月に国より提示されています。
公定価格単価は、年度ごとの国の予算編成に合わせて決定されるため、本来は12月頃に決定されるものとなります。
しかし、子ども・子育て新制度においては、保育園・幼稚園等が新制度への移行を検討する上で、単価情報が大きな判断材料の一つとなることから、「仮単価」という形で先行して提示されました。

 単価に関する今後の見通し

子ども・子育て新制度は、「税と社会保障の一体改革」の1施策として制定されました。そのため、施行に伴い新たに必要となる財源は、消費税増税により確保されることとなっています。
しかし、消費税が10%に引き上げられるのが、平成27年10月の予定であることから、消費税増税に伴う財源確保が可能となるのは、平成29年度からとなります。よって、平成27年度・28年度と平成29年度以降では単価に関する考え方が変わります。
具体的には、子ども・子育て新制度では「量的拡充」と「質の改善」を目指すため、必要な財源を消費税増税により確保する予定となっていますが、平成27年度・28年度の公定価格単価には、「量的拡充」と「質の改善」分が反映されない見込みです。平成29年度以降の公定価格単価には、「量的拡充」と「質の改善」分が反映される予定です。

 公定価格の仮単価表について

平成26年6月現在、国から提示されている公定価格の仮単価表(一部抜粋)は下記のようなものとなります。

公定価格の仮単価表(一部抜粋)
※出典:平成26年5月26日開催の子ども・子育て会議第15回より一部抜

また、保育園・幼稚園・認定こども園などに向けて、新制度に移行した場合、自園の公定価格見込みが計算できる公定価格の試算ソフトが文部科学省・厚生労働省の認定こども園(幼保連携推進室)ホームページで平成26年6月10日に公開されました。
 → 認定こども園(幼保連携推進室)HP:http://www.youho.go.jp/

幼稚園の新制度移行について

幼稚園は、子ども・子育て新制度の実施に当たり、新制度に移行するか、引き続き現行の私学助成等を受けるかを選択する必要があります。また、新制度へ移行する場合、幼稚園のまま移行するか、認定こども園になるか、といった選択も必要となります。
そのため、国は、幼稚園に対する新制度移行の意向調査を、平成26年6月から実施し、平成26年7月末には意向調査の結果を集計する予定です。
ただし、今回実施される集計は、国や地方自治体が事業計画を作成する上で、幼稚園の新制度への移行見込みを把握するためのものなので、調査に対する回答は拘束性のあるものではありません。

幼稚園の新制度施行における選択肢について

幼稚園は子ども・子育て新制度の実施に当たり、移行有無を選択する必要がありますが、選択肢の内容は下記のようなものとなっています。
図の※1を見ると、「現行の私立幼稚園は、特段の申出を行わない限り施設型給付の対象として市町村から確認を受けたものとみなされる。」とあることから、既存の幼稚園は、新制度移行有無の意思表示をする必要があります。なお、幼稚園に対する新制度移行有無の確認は、秋頃を目途に都道府県・市町村が実施する予定となっています。

子ども・子育て支援新制度における幼稚園の選択肢
※出典:平成26年4月17日開催の自治体向け子ども・子育て新制度説明会資料より転載

今回は、公定価格の骨格と仮単価、および幼稚園の新制度移行に関する内容をご紹介しました。
前年度、子ども・子育て会議が発足した際、公定価格の検討までがスケジュールとして示されていたことから、子ども・子育て会議による検討も一つの区切りがついたものと思われます。今後は、制度施行に向けた本格的な準備、詳細内容の検討がされていくと想定されます。
次回は、施行準備に向けたより具体的な内容をお送りします。